目次
はじめに
保育士試験や現場で役立つ心理理論を学ぶとき、「暗記だけ」ではなかなか身につきません。
そこで重要なのが、子どもの具体的な行動と結びつけて理解することです。
例えば、友達とおもちゃを取り合う子どもや、新しい遊具に挑戦する子ども、絵本の読み聞かせに興味を示す子どもなど、身近な行動から理論をイメージすることで、理解も応用もしやすくなります。
ピアジェの認知発達理論
ピアジェは子どもの思考や認知の発達に着目しました。
子どもが遊びや日常の中でどのように物事を理解しているかを観察することで、理論を活かすことができます。
| 発達段階 / 年齢 | キーワード | 子どもの行動例 | 現場での活用ポイント |
|---|---|---|---|
| 感覚運動期(0〜2歳) | 感覚・運動 | 手で物をつかんだり口に入れたりする | 遊びや探索を通して認知の基盤を育む |
| 前操作期(2〜7歳) | 象徴機能・自我中心 | ごっこ遊び・おままごと | 想像力を発揮する遊びを観察し、言葉や行動の理解を促す |
| 具体的操作期(7〜11歳) | 論理的思考 | 数や順序を考えてゲームする | ルール理解・論理的思考をサポートする活動を提供 |
| 形式的操作期(11歳〜) | 抽象的思考 | 仮説を立てて実験・議論 | 自由な発想や問題解決を支援 |
エリクソンの心理社会的発達理論
エリクソンは心の社会的発達に注目し、子どもの成長を8つの段階で捉えました。
行動例を意識すると、子どもが経験する葛藤や挑戦を理解しやすくなります。
| 発達段階 / 年齢 | キーワード | 子どもの行動例 | 現場での活用ポイント |
|---|---|---|---|
| 乳児期(0〜1歳) | 信頼vs不信 | ママに甘えて泣く | 適切に応答して安心感を育む |
| 幼児前期(1〜3歳) | 自律性vs恥・疑惑 | トイレに挑戦する・自己主張 | 失敗しても支援し、自己肯定感を育む |
| 幼児後期(3〜6歳) | 主体性vs罪悪感 | 新しい遊具に挑戦 | 挑戦心を認め、自信を育てる |
| 学童期(6〜12歳) | 勤勉性vs劣等感 | 図工や運動で努力する | 成功体験を増やし、達成感を経験させる |
ヴィゴツキーの理論
ヴィゴツキーは、子どもが一人ではできないことも支援を受けることで達成できることに注目しました。
| キーワード | 子どもの行動例 | 現場での活用ポイント |
|---|---|---|
| 最近接発達領域(ZPD) | 先生の手助けでできるパズル | 子どもが一人でできないことも、支援で成功体験を増やす |
| 足場づくり(スキャフォールディング) | 絵本の読み聞かせで理解を助ける | 言語・社会的支援を通して学びを促進する |
ブルンフェンブレンナーの生態学的システム理論
子どもは家庭・保育園・地域など複数の環境から影響を受けて成長します。
| キーワード | 子どもの行動例 | 現場での活用ポイント |
|---|---|---|
| 生態学的システム | 家庭・保育園・地域での生活 | マクロ・メソシステムまで視野に入れ、環境調整で子どもを支援 |
| 相互作用・環境の重なり | 家庭での養育と園での遊びの違い | 子どもを多面的に観察し、連携・支援を考える |
まとめ
理論は子どもの行動と結びつけて理解すると記憶に残りやすいです。
表と文章の両方を組み合わせることで、保育現場でも試験対策でも活用できます。
「行動例+現場での活用ポイント」を意識して、日々の保育観察に役立てましょう。



